書は小一より始め、小学時代は放課後、学校の先生が教えてくださった為ほぼ毎日練習。以来時々のブランクはありながらも五十五年書に親しんでいます。 基本点画をしっかり、確実に教えてくださり、出来るまで席を立たせてくれない厳しい先生でした。しかし知らなかったことを知り、出来なかったことが出来るようになることは喜びであります。 今もその楽しみとともに書・墨の雅の世界を追い求めています。 三十歳の頃、母から職としての“筆耕”を知らされ、独学し、生業としました。生業にするということはお客様のご要望にオールラウンドでお応えできるということ・・・・。必死でした。その傍ら創作活動にも勤しみ、作品発表もしてきました。 世はパソコン・インターネット社会。今や文字は書くのではなく“打つ”時代。しかし真に、心を伝える手段は手書きに勝るものはないと私は考えます。“今こそ手書き”、“ぬくもりの心を運ぶ筆と墨”をキャッチフレーズとして、手書きの文字を活かすこと。又日本の書の文化を次の世代に繋ぐことも大切なことと、今私は後進の指導にも力を注いでいます。